3日が息子の運動会の代休になったので、一緒に日帰りで立山に行ってきました。 〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜 2013年6月3日 立山 天候:晴 装備:Seki(板)クナイスル・ツアーライト59(靴)Xadv7 Seki Jr.(板)MADSHUS・EPOCH(靴)T3 <コースタイム> 8:27 室堂ターミナル 9:48〜10:30 山崎カール2855m 11:06〜11:50 一ノ越 12:01〜12:18 御山谷 大岩 13:06 一ノ越 (周辺滑降) 13:56 一ノ越 14:45〜14:55 東一ノ越 15:37 黒部平駅 6月1日の土曜日は仕事もサッカーなかったのでどこか行けないかな、と思っていたら、息子の運動会ということで断念。 ところが、3日が運動会の代休とわかり、私も休みを取って、急遽出動決定。 今年はGWに行けなかった立山に行くことにする。 例によって前夜富山に泊まり、朝イチで室堂に上がる。 月曜なのに思ったより人が多くて、高原バスの臨時便が出たので、通常ダイヤの8:30より早く8時過ぎに室堂に到着した。 天気は予報通り晴れ。 雨男の息子と一緒の山スキーでこんなに天気が良いのは初めてである。 この天気なら雪も緩んで大丈夫だろう、ということで今回私はBCクロカンで参戦する。 室堂でシールを着けてまずは室堂山荘に歩いて行くと、山荘前のテラスにまほろば倶楽部ご一行。 ご挨拶をしてから、一ノ越へのルートに向かう。 予定ではまず一ノ越から御山谷を滑り、一ノ越へ登り返して山崎カールへ行くつもりだったが、歩きながら地形を見ているうちにやっぱり先に山崎カールに行った方がいいな、と思い直し、途中からトラバースして山崎カールに向かう。 急斜面のトラバースルートにまだ雪が緩んでいない部分があり、BCクロカンではやや歩きづらいところもあったが、それほど問題にはならない。 山崎カールを快調に登り、ローソク岩より少し下、岩場が露出しシール脱着の足場が取れるところで、遅れてくる息子を待つ。 息子は相変わらずキックターンが下手で難儀している。 私が待つ岩場まで来るには急斜面を登らなければならない。 そこでのキックターンに苦労することは目に見えている。 息子が急斜面手前の中斜面を登り切ったあたりで、きつければそこまででいいぞ、と声をかけるが、息子は登り続けて結局岩場まで到達。 シールを外して本日最初の滑降。 直下の急斜面を慎重に滑り出し、続く広大な中斜面をクルージング。 雪の状態は上々で、快適、快適。 カールの下まで来たら、雪の付いているぎりぎりのところを通って、なるべく高度を落とさないように一ノ越方面へトラバース。 行きに対岸から眺めていた時はシールが必要になるかと思っていたのだが、ステップだけで難なく一ノ越下の夏道露出部分までたどり着けた。 そこでまた息子を待っていると、上からレーシングワンピを来た一団が下りてくる。 なんと皆ノーエッジのクロカン板を持っている。 おそらくスケーティングレース用の、極細板。通称割り箸。 彼らはそれで難なく滑り降り(さすがにテレマークターンはしないが)、あっという間に室堂方面へと消えていった。 ん〜、Cool。 一ノ越に着いたら、定番の一ノ越カップヌードル。 といっても、一ノ越山荘で購入したものではなく、自分たちで持ってきたもの。 湯が沸くのを待つ間に缶ビールで乾杯。 極楽である。 暑かった上にラーメンなど作ってしまったので、室堂で汲んできた水の残りが少ない。 一ノ越は水が出ておらず、補給できない。これは誤算。 仕方なく山荘でペットボトルのドリンクを購入する。 さて、食事を終えたら御山谷だ。 さすがにGWのような一面の雪とはいかず、途中に岩や灌木が露出している部分もあるが、大岩まで滑るのに十分な雪がある。 今回は息子と私がそれぞれデジカメを持ち、交互にビデオを撮りながら滑る。 一ノ越山荘直下の滑り出しは、完全フラットで適度に緩んだ最高のザラメ。 ショートターンで飛ばしていると、突然縦溝が現れ、ペースダウン。 気楽にとはいかないが、雪は柔らかいのでそれほど難しいわけではなく、気持ちよく大岩まで滑ることができた。 大岩からは、今日の最後となるであろう登り。 この御山谷の登り返しは、直登するのにちょうど良い斜面。 結構な斜度があるが、バックスリップに注意しなければならないほどきつくはない。 実に効率よく高度が稼げる感じがする。 息子も、キックターンの必要がないのでそれほど遅れずについてくる。 今日の〆はタンボ平の滑降を予定している。 東一ノ越へのトラバースルートの様子を観察しながら登る。 トラバースルートの夏道露出部分まで滑ればすぐというところまで登ってきたところで、このまま東一ノ越に向かってしまおうか、という考えが頭をもたげる。 が、ちょっとまだ時間が早く、やや物足りない。 息子に、一ノ越まで登り返して直下の雪質のいいところでしばらく滑ってから下るか、それともこのまま東一ノ越に向かうのとどっちがいいかと尋ねると、もうちょっと滑るという。 ストイックな奴。 一ノ越に戻ったらシールを外し、ステップを活用して上部のフラットバーンで遊ぶ。 そのうちに、息子がテレマークの真似事を始める。 アルペン経験者にありがちな、足が前後に大きく開いて膝も足首も伸びた不安定なフォームだが、雪質が良いおかげかそれなりにターンになる。 膝をもっと絞ると良いとアドバイスすると、結構サマになる。 褒めると、気をよくして熱心にテレマークの練習を繰り返している。 なんでこんなところで、と思うが。 それを横目に、私は極上斜面で超快適な滑りを繰り返し楽しむ。 しばらく遊んだら、タンボ平へ最後の下りに向かう。 東一ノ越へのトラバースルートは、一ノ越から見える範囲でも、もうかなりの部分が夏道だ。 さらにそこから先は、大半が夏道歩きになる。 板をザックに着けて歩くが、ところどころ雪の残る急斜面のトラバースがある。 トレースもあるのでさほど困難はないが、部分的にトレースが薄くなっているところもあり、ツボ足歩きの経験が少ない息子の様子に注意しながら進む。 一人の時よりだいぶ時間がかかったが、無事東一ノ越に到着する。 さあ、いよいよ本日のハイライト、タンボ平の滑降である。 ここは、出だしがかなりの急斜面になっており、下が落ち込んでいて見えない。 息子に、急斜面だが、雪が柔らかいから、スピードを出しすぎなければ転んでも止まる。とにかくゆっくり下りるように、と注意しておく。 慎重に急斜面に入っていき、3ターンくらいしたところで、斜度が最大になる。 私が経験した中でも本当にトップクラスの、かなり激越な急斜面だ。 ここは2度目なのだが、記憶しているよりもさらに急だ。 前回は右側の方に回り込んで最初の急斜面をやり過ごした記憶だが、今回は雪が消えていてそちらに行けなかったので、結果として一番急なところを下る形になってしまっているのかもしれない。 しかも、この時期なので雪面には凸凹もある。 ついてくる息子に、ここではターンは難しいだろうから、少し斜度が緩むまで横滑りで下りろと指示する。 といいながら、自分の方は、急斜面でいつも使うワンステップ系のクイックなターンを駆使すれば滑れるだろうと考えた。 滑るとなれば、慎重さが要求される一方で、腰が引けては絶対にうまくいかないので、思い切りよくいかなければならない。 慎重な横滑り斜滑降から、意を決して「いよっ」と右足を踏み出し、ターンに入るが、バランスを崩し転倒。 が、期待通りに止まってはくれず、体が滑り出す。 とっさに、両手を水かき状にして、雪面に突き刺す。 腕を引きつけ、両手でピッケルストップをするようなイメージ。 しかしまずいことに、片方のスキーの踵が完全に上がって、スキーがフォールラインに縦に向いてしまい、全くエッジが効かない。 もう一本のスキーはフォールラインに真横になっているのだが、BCクロカンなので思うようにエッジが噛んでくれない。 両手ピッケルと一本の細いスキーだけでは、全く止めることができない。 止まる気配なくかなりのスピードで落ちていくが、両手ピッケルはそれなりに有効で、これ以上加速していく感じはない。 なので、斜度が緩めばいつかは止まると、それほど焦ることはなかった。 しかしあまりにも長く流されるので、気合いを入れてもう一度両手を深く打ち込み直すと、上手い具合に片スキーのエッジもかかってくれて、いったん止まる。 が、縦を向いてしまっているスキーを直そうと足を動かしたとたん、また滑り出し、さらにしばらく落ちたところで、ようやく止まった。 止まったところで高度計を確認すると、2330m。 GPSトラックデータによれば、2461mから2330mまで、標高差で130mほどの滑落。 もし対処を誤って、なすすべなく流されていたら、あの急斜面で相当な加速がつき、もっとずっと長い距離を落ちることになっただろう。 また、途中に落石でも転がっていたら、大けがになっていたと思われる。 息子に指示したように、私も横滑りで安全に下りるべきだった。 スキー技術への過信があった。 また、転倒はあり得るとしてもあの雪なら止まるだろうと思っていた。 BCクロカンはエッジの効きが弱いのだから、転倒時にも止まりにくいリスクがあるということまで考えが及んでいなかった。 いろいろ考えると、今の私のレベルで、あのルートにBCクロカンで行くべきではなかった、というのが結論。 あれだけ派手に滑落してかすり傷一つなかったのは、本当に幸運だった。 さて、滑落を止めたら、すぐに、上で呆然と眺めていたであろう息子に無事を伝える。 そして、横滑りで少しずつ高度を落としながら、ロープウェーの方向に移動するように指示する。 目の前で父親が滑落するのを見ていた息子は相当びびったのではないかと心配したが、腰が引けすぎることもなく上手いこと下りてきているので、安心する。 私も高度を落とさないようにしながらトラバースし、息子と無事合流。 急斜面の恐怖さえなくなれば、眼前に広がるのは魅惑の大斜面だ。 ここもやや縦溝があるので、丁寧に、しかしのびのびと滑る。 途中でロープウェーが動き出し、乗客の視線を感じる。 滑落でだいぶロスをしてしまったと思ったが、そこから下だけでもかなり滑り応えがあった。 下に行けば行くほどコンディションは悪くなると思っていたのだが、斜度もかなり落ち、黒部平駅までもう一息というところで、フラットなザラメバーンが現れ、最後の一滑りを楽しむ。 あとで息子に聞いたら、ここが一番良かったと言っていた。 平地までたどり着くと、かなり露出した木々の間にBCクロカンを滑らせ、駅直下の短い斜面を登り切ったら、黒部平駅到着、ツアー終了。 滑落というアクシデントはあったが、最高の天気の中、山崎カール、御山谷、タンボ平という3つの「定番」コースを1日に詰め込んで、なかなか充実したツアーとなった。 滑走シーンは息子が撮影。カメラ動き過ぎ(泣) ツアー記録一覧へ |
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150メートルの大滑落! |
県南Y子 2013/06/05 13:25 |
県南Y子さん、ありがとうございます。 |
Seki 2013/06/05 18:46 |
こちらも、ワクワクドキドキ読ませて頂き、 |
n'Ajjer 2013/06/06 06:03 |
n'Ajjerさんも立山日帰り行かれてたんですか! |
Seki 2013/06/06 09:04 |
150mの大滑落、若き雄一郎氏のエベレスト・スキー大滑降での滑落シーンを思い出しますが、大事に至らなくて何よりでした。 |
na 2013/06/15 21:50 |
naさん、こんにちは。 |
Seki 2013/06/17 09:16 |
北八ヶ岳は滑る為の山としては特に面白いところではありませんが、スキーを履いた冬山歩きという視点に立つと、変化に富んだ地形や景観は、なかなか味わい深いものがあります。 |
na 2013/06/17 21:31 |
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